祖父母の家が取り壊されることになった。

祖父母の家 取り壊し

お盆で福岡に帰省し墓参りに行った帰り、祖父母の家に立寄った。

 

祖父は僕が小学生の時に亡くなり、祖母も昨年他界した。

 

今の僕があるのは祖父母のおかげだと言っても過言ではないくらい、本当にお世話になった。小さい頃から色んなところに連れて行ってもらったし、色んなものを食べさせてもらったし、好きなように勉強させてもらったし、大学で休学して1年間海外を旅したいと言った時も、どうせ結婚も遅いだろうと、結婚祝いの為に準備してくれていたお金を笑いながら手渡してくれた(予想通り30過ぎてもまだ結婚できていない……)。

 

小さい頃は家の前に工場があってそこを秘密基地のようにして遊んでいた。敷地内には池も二つあって、釣りをしたり、網ですくったり、埋め立てる時に水を抜いた際、主のような大ナマズも出てきて興奮したことも昨日のことのように鮮明に覚えている。

 

老朽化が進んでいることは母から聞いていた。雨漏りやシロアリ、家自体も少し傾いて開かなくなった窓もいくつもあった。危険だから今のうちに取り壊しておかないといけないということはわかる。けれど、やっぱり寂しい。

 

「欲しいものがあれば言えよ。壊す前に取っとくから」と父が言った。

 

実は今までも、祖母の生前、タンスをもらったり、ヤカン(ケトル)をもらったりはしていたけれど、亡くなった後、それも家自体が無くなるということで、少し戸惑った。

 

改めて祖父母の家を見てみると、至る所に素敵なタイルが使われていることに気づいた。今まで意識していなかった。正面にも壁面にも正面玄関にも、違うタイルが使われている。

 

 

これにしようと思った。これで何か作りたいと思った。

 

伊佐市にきてから、空き家だったり、廃墟だったり、壊される家だったり、新築だったり、家を見る機会が増えた。そんな中でなんだか素敵だなぁと思う家は、昔の家の一部を活かしたり、受け継いだものを活かしたり(eg.自分の山の木で家を建てるなど)している家だった。

 

僕も、祖父母の家やその思い出を、少しでも受け継いで活かしていきたいと思う。